歯周病の治療について
1.口腔清掃指導
現在の歯みがきでどこが磨けていないのかをよく理解していただいた上で、正しい歯みがきの方法を学んでいきます。
2.歯石除去(スケーリング)
歯石は歯の表面に付着した歯垢に唾液中のカルシウムやリンが混ざって石灰化したものです。歯石自体の病原性はありませんが、付着することで歯の表面がでこぼこして歯垢が付着しやすくなるため、超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用してきれいに除去します。
3.フラップオペレーション
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深くなっている場合は、器具によって歯周ポケットの外から歯垢や歯石を除去することができません。こういった場合は、歯肉を切開して歯垢や歯石を除去していきます。
4.定期メンテナンス
治療が終了した後も継続して良い状態を保つことをいいます。
良い状態を維持するためには、歯科医師のチェックや歯科衛生士による専門的なお口のクリーニング(清掃)を定期的に行います。
最低でも半年に一度はメンテナンスを受けるようにしましょう。進行した歯周病の治療を受けた方は、1~3ヶ月に一度のサイクルでご来院いただき、歯茎が安定した状態を保っていくことが大切です。
歯周病の症状について
こんな症状にお困りではありませんか?
以下のような症状があてはまる方は、歯周病の可能性がありますので、できるだけお早めにご相談ください。
- 朝起きたとき、お口の中がネバつく
- 歯みがきをすると出血する
- 口臭が気になる
- 歯と歯の隙間に食べ物が挟まりやすい
- 硬いものを噛むと歯が痛む
- 以前と比べて歯が長くなった気がする
- 歯がグラつく
- 歯が浮いているような感覚がある
- 歯茎が腫れたり、膿が出たりする
歯周病の進行について
軽度
歯茎に炎症が起き始め、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」が深くなります。この時点ではまだ痛みはありませんが、歯みがきをした際に血が出ることがあります。
中等度
炎症が進行し、歯周病菌が顎の骨にまで達した状態です。歯周ポケットがさらに深くなり、歯がグラグラし始めます。
重度
ここまでくると、顎の骨が半分以上溶けてしまっている状態です。
歯周ポケットがかなり深くなり、歯はグラついて、歯茎からは膿が出るようになり、口臭もきつくなります。放っておくと、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
当院での歯周病治療
歯周外科・再生療法
歯根がむき出しになり、歯が長くなってしまった方は、歯肉に埋まった部分が少なくなり、歯が抜け落ちてしまいます。
歯周外科は歯肉移植をする等の場合に役立ちます。
再生療法は歯周ポケットが一部のみ深い場合に役立ちます。
リグロスを使用する再生治療を行うため、保険適応の治療です。
歯みがきだけでは改善できない症状にはおすすめの治療法です。
レーザー治療
レーザーによる骨細胞の活性化や殺菌により腫れが引き、治りが早くなります。
歯ぎしり
歯周病の原因の一つが歯ぎしりだということは、あまり認知されていません。
ほとんどの方が歯ぎしりだけでなく、食いしばりも寝ている間に無意識に行っています。
この時に加わる大きな力で炎症を起こしてしまい、そこに歯周病菌が侵入することで、歯周病の原因となってしまいます。マウスピースを装着するなどの対策で、歯ぎしりを防止するようにしましょう。
メンテナンス
治療が落ち着いても、定期的なメンテナンスは必要になります。特に歯周病菌が暴れだす6月、9月、12月は歯科医院で定期検診を受けるように心がけましょう。
バクテリアセラピー
3DS(デンタルドラッグデリバリーシステム)で殺菌して病原菌を減らすと同時に乳酸菌で善玉菌を増やし、歯周病菌に打ち勝つ口腔内環境を整えます。
口腔内の善玉菌を増やします。
口の中のバクテリアをゼロにすることはできません。
乳酸菌などの有用菌を増やすことで、悪玉菌の活動を抑え込む手法です。
人間の身体は多種のバクテリアとの共生関係にあるため、人間にとって役に立つ菌とその他の菌とのバランスを保つのがポイントであると考える最新の見解にもとずいています。