32年の臨床経験と22年同じところで同じ患者さんの診療にあたっていると、いろんなことを経験します。
20年近く前に、『親知らずが前の歯に咬みつくような形で壊しているケース』。。。普通は抜歯です。
しかし、2本抜歯になりそうなので患者さんは抜きたくない。。。必ずメンテナンスに来る約束をして現在も健在です。
『歯周病と歯ぎしりでグラングランになってる奥歯』。。。患者さんは抜歯を覚悟していましたが、抜いてません。
咬みあわせ調整で小さく削られてしまいましたが、今も健在です。もちろん必ずメンテナンスに通院中。
そんなことを言うと、抜かない歯医者なのかと思うでしょうが、一度に6本抜いて入れ歯に一気に変えたりもします。
抜くのか、抜かないのかの基準があるんです。
一言で言えば。。。。。。
体がその歯の存在を許すか許さないかなのです。。。。。そんなこと言っても分からないですよね。。。。
体は正直で、バイキンだらけでバイオフィルムが根っこの先に張ってしまった歯を排出するんです。
歯根にバイオフィルムを張らせないことが基準になるんです。
すでに根尖(歯根のさきっぽ)までバイオフィルムが張った歯は救えないので抜歯します。
根尖までバイオフィルムが張ってなければ、それ以上のバイキンの侵入をプロのケアで防ぐことができれば歯は残るのです。
だから、抜くのか抜かないのかは明確に分かれているので説明しています。
体は正直です。。。。体の細胞の好き嫌いははっきりしているんです。
細胞にとってはバイオフィルムは敵なので除去しようとして腫れる、浮きだす、揺れる、抜ける。。。。
『歯根の周りにバイオフィルムが侵入できないように守ること』これが大切なのです。