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2019.04.22

MTAセメントで歯の寿命を延ばす治療です

中村歯科クリニックでもMTAセメントを使った治療をしています。

先日、中学生の虫歯が思いのほか大きくて、歯髄神経に達する勢いで歯が溶けています。

その時に、「とりあえず保険でやって、なんだったらそのMTAセメントに変えるってのはできますか?」と問われましたが。

それは、お勧めしません。

『なんだったら』。。。の時点で、おそらく歯髄神経が死んでしまうと思うので、その後のMTAでは歯髄を守ることができないからです。
『なんだったら』。。。の時点で、根管治療に進展すると思います。

MTAセメントを使った場合は保険外負担をお願いしています。

MTAセメントの特徴は固まる水酸化カルシウム製剤で、バイキンが生き残れない強アルカリ性の為、歯髄細胞が感染しないで済むところです。
その後の治療も1週間くらいで行うのが通常の方法です。
歯髄がバイキン感染する危険を排除することに特化しています。

欠点としては高価なために、費用負担が発生することです。

MTAセメントが薄く入っている比較的安価な物も発売されましたが、固まりが弱いので、本来のMTAセメントの利点は生かされていません。
その為、当院では高いほうのMTAセメントを使っています
今までの治療実績からは、再感染を起こした人が現在のところ居りません。

保険内治療では固まらないタイプの水酸化カルシウム製剤を使いますので、通常の方法では6か月後の再治療が必要になります。
固まらないので、再感染を防ぐことが大切で覆うセメントがミクロの漏れを起こさないように、再び虫歯にならないように手入れに励んでいきたいところです。
これをきちんと実践していただいた場合は、この方法でも良い結果を得ています。
しかし。。。。。。
残念なのは、半年後の2度目の治療にきちんと来てくれる方が少ない事です。
もう治ったと思ってしまうので、数年後に再発してきます。。。。。できれば一度で治したいところです。

もしも、MTAセメントを使う治療を勧められたとしたら。。。。。その歯医者さんは、あなたの1本の歯の寿命を守ろうとする人です。

歯をなるべく削らない治療とは、現況では、接着技術を使うのとMTAセメントを使い歯髄細胞と歯根膜細胞を感染から守り活かす事だからです。

できる限り抜かない治療とは、今現在では、MTAセメントを使いこなす根管治療とグラスファイバーと接着技術をを使ったセラミックス修復と、筋肉の咬む力のコントロールの技術を使って、口腔内細菌と破壊の力から歯を守り抜く事だからです。

歯周病で歯を失う事よりも、現在は、歯根の破折で抜歯に至ることの方が多いのです。

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