医療は歯科医療でも進歩しています。。。。。保険診療も2年ごとの改訂ではありますが、進歩はしています。
ときどき、材料費よりも安い診療費の設定に愕然としますが。。。『絵に描いた餅診療か????』
理解に苦しみながら日々考えております。
歯医者が常に使う材料の一つに『セメント』があります。
昔は合着のセメントが主流でした。。。。物理的に嵌合させる発想なので凸と凹を使いこなす技術です。
それを科学的に変えたのが今どきの接着セメント。。。。科学的にくっつける技術です。
『接着』の場合はミクロの膜厚みで力を発揮するので、精密に作る事が大切です。
そのために、作る過程の一つ一つを丁寧に積み上げることが必要なのです。
当院では、すべてを接着で行ける。。。。と、思ったのですが。。。(そこまで全員のスキルと技術が整った)
ですが、現実はすべてではなく。。。。合着の必要性が浮き彫りになることになりました。
低年齢と高年齢の方の場合に、そこまでの治療ができないので、既成冠を合着する等のいわゆる昔の技術が力を発揮します。
診療態勢を保ち、正確に形を形成し、型を取ることができない場合では、『接着』は役に立たない。むしろ合着が効果的。
8020運動は達成度を増して、総入れ歯の人は減ってきています。
自分の歯があるからこそ、70代の内にすべての歯をこれからの身体の変化に対応できる状態に整えておく事が大切だと考えています。
診療台を寝かせた状態で診療できるかどうかは、『接着』と『合着』の分かれ目の目安になるように感じています。
何が起こったかというと、嚥下に問題が起きたり、心臓や呼吸機能が弱っったり、骨格が丸くなると、診療台を倒した水平診療ができません。
2分おきにうがいが必要だったり、唇や舌の不随意運動が起きて危険だったりして、診療に制限が起こるのです。
そんな時に椅子を倒さなかった時代の診療方法が役に立ちます。。。。。。型を取るのも短時間で行う必要があったり、一度に綺麗におさめようとせず2回に分けたり。。。。。接着でなくて合着でいく。。。。今までの蓄積した技術のフル活用。
接着と合着を使い分ける。。。。使いこなす。。。。