日本で評判の悪い治療の一つに『根管内治療』があります。
歯の神経をとって、歯の中をきれいに処理して薬を詰める処置のこと。
とても繊細な治療なのですが、治療費がお安いのです。
今日も、30分歯の中を洗って洗って洗って。。。まだ綺麗にならなくて、次回も洗うのですが。
治療費が1回に200円位。
その上何回かかるか分からない時もあり、1本の歯の治療に3ヶ月もかかったなどの悪評判が立つ治療です。
まだ汚れてるなぁ。。。なんて一生懸命やればやるほど、嫌がられるやつだ。
しかし、これを逃げたらその1本の歯は助からない。。。。。その1本にこだわるかどうか。。。歯なんてダメになるもんだと思ってるのか。。。。
その為、この治療は、患者さんが『歯』の保存を望むかどうかによって評価が天と地ほどに違う。
早めにダメだと見切りをつけて抜歯してインプラントにするのが今どきの治療法です。
中村歯科に、新幹線で通院する遠方の患者さんがいらっしゃる。
時間に余裕があれば、治療の必要な時間横浜に滞在する患者さんがいらっしゃる。
京都から通院される方がいらっしゃる。。。。
『根管治療』は治療するリスクが高いのに治療代が安くて、満足が行くほどに内部を綺麗にする余裕がない。
保険内治療での患者さんからの評価も低くて、正直言うと、評価よりも批判を受ける。。。。
保険外で治療する場合は、1本の根管で15万円位が治療代です。。。。奥歯なら3根管の場合が多い。。。。
1本の歯の中に黴菌とのミクロの戦いを挑むのが根管治療。
レントゲン検査の結果で根尖病巣と言われる黒い影が映りでると、『根管治療が必要です』と告げる。
しかし、治療をするかしないかは患者さんが決める。
抜歯してインプラントにすると言う選択肢も、抜歯して入れ歯という選択肢もある。。。。バッサリ型の治療。
中村が根管治療にこだわるのは、やれば助かる可能性があるからで、やってみなければ、歯の中がどうなっているのかを見なければ分からないけれど、結構な割合で助けることができるからです。
この治療はとても繊細です。。。。ペンシルベニア大学式の治療法で洗うと歯の中が複雑で、ミクロの細管の中に入ったミクロの病原菌とのミクロの戦いを歯の中で行っているイメージで治療します。
このイメージが抱けるかどうかは、根管治療をどこまでやるのかの見極めにかかわります。
手術用顕微鏡でも見えない象牙細管の中や、根尖の細胞がどのくらい痛んでいるのか助けられるのかを判断するのは、目で見るのではなくて、ほとんど肌で感じるレベルです。
一瞬見える泡の色だったり出方だったり。。。針のように見える道具が誘導されていく行先だったり。。。
細管の中に薬を作用させることができるほどに細管を開けることができるかどうか。。。
感染した歯髄を取り除けるかどうか。。。。
感染した古い治療残損物を取り除くことはかなり困難を極める。。。
ジリジリするせめぎあいがあるのだけれど。。。。。。理屈通りに粛々と進めていく
そんなことは患者さんは知る由もない。
自分の口に中の小さな歯の中を、そんな気持ちで治療しているなんて、きっと誰も想像しない。。。でしょう。
遠方から通ってくる患者さんは、以前横浜で中村が治療したことのある方々です。
転居先で望む治療が受けられず、通ってくれています。
インプラントも入れ歯もできるけど、その前にまだこの歯は救える。。。。かもしれない。