『老害』という言葉が目につくようになり、自分に跳ね返ってくる気がする今日この頃です。
子どもや若い人の治療では、虫歯や歯周病を見つけると『治療しましょう』で始められるし、説明に同意をえられるのですが、70代はそうはいきません。
唾液が減って、アメもおやつも頻回摂取するので口の中が汚れやすく細菌が多いです。そのうえ歯が伸びたり傾いたり手首が硬くなって歯ブラシが取り回しできなくなったりで清掃効率が落ちてきます。クリーニングに毎月のように来ていただく必要のある方も多いのですが、虫歯ができても治療させてもらえないことも多々あります。
『虫歯です』と見せても『私には見えない』『全然痛くない』治療を始めたら、『痛いぞ!痛くない歯を削って痛くした。』麻酔して痛くない状態で治療しましょうというと、『痛くない歯を抜くなんて』と怒り出す。虫歯の治療だから抜くことはないですよと言ってももう冷静になれない。『やめだやめだ』と、穴が開いたまま帰ってしまう。
今の若い世代は虫歯が痛いという経験は少なくて、レントゲンや見た目の色や形の変化や詳しく説明されて、『チョットしみる』くらいで危険を察知。すぐに治療して困らないことが多い世代です。
70代の方々は、昔の歯医者ではレントゲンも見せられず、ろくな説明もなくされるがままに治療。予防歯科なんてなかった時代ですから痛くならないと歯医者には行けず、行ったらすでに抜くほど重症で、抜歯して入れ歯になるという経験を重ねてきています。『麻酔をすること=歯を抜くこと』という思い込みが根強く、経験則が違いすぎて歯医者への不信感が強いようですが・・・・・ちょっと困ってます。
多分ミスマッチ。。。。。。。長く歯科治療をしておりますと、これを今治療しないと10年後・20年後の予想ができるようになってきます。それは治療経験と言われるものだと思うのですが、治療を望まない患者さんにも寄り添おうと思っているのですが、『放置』ができないというか、心が苦しくなってしまうのですね。。。。1年後激痛に苦しむだろう。。。と思うと今治療をしておこうと説得したくなってしまうのです。。。。。でも患者さんは放置する、中断するなど苦しい道を選ばれることも多いのです。
咬合崩壊して噛めなくなって、治療してくれる歯医者が見つからなくなってから飛び込んでくることが多いのですが、6割がた治療が済んだところで中断する方々がかなりの割合でいらっしゃるのです。中村が目指す治療完了のゴールまでたどり着くと、その後はほかの先生でも治療してくれるところまで回復しています。中断すると、1年くらいでまた崩壊が起こります。。。。。もう戻ってくることができずに抜歯して入れ歯になっていきます。
あの手この手と工夫して、何とか美味しく食べられるようにしよう。長持ちして今後困らないようにしようとする中村と、『今が痛くなければ良い』という刹那的な治療を望む方々とのミスマッチ。そう思い当たることがあったので、デジタル診察券とEPARKの診療案内を停止いたしまして、ホームページからの診療予約に変更いたしました。
これからも皆さんの『困った』に対処して『困らない、おいしく食べる、楽しい日々』に貢献できるように努めてまいります。
ホームページから予約できます。お急ぎの場合は電話045-591-8211にお電話ください。