歯周病は痛くないのに重症。。。ポケット4mmの時が良くあります。
なぜ4mmが大問題なのかというと、歯ブラシで洗えないから嫌気性菌である細菌が繁殖します。
問題の歯周病菌は嫌気性菌なのです。
歯周病菌が歯の周りの骨を溶かします。
歯周病菌が血管に入り込み動脈硬化を起こし、血栓を作り心筋梗塞・脳梗塞の引き金を引きます。
歯周病菌が唾液とともに胃腸に流れ込み腸内細菌を荒らし、免疫を低下させます。
歯が抜けてしまうから怖いなんてレベルじゃないんです。
歯がグラグラしているならすでにポケットは5mm以上になっていることでしょう。
ポケットを3mm以内にするための治療が始まります。。。。歯周病治療の開始です。
まず、歯の状態が悪い部分を調べます。検査です。。食べ物が挟まるようなことはないかどうか。。。これもポケットが深くなる要因だからです。
壊れてる詰め物かぶせものは無いか?。。。歯周病菌の温床になる場所です。
磨けない場所は無いか?。。歯並びが悪いと磨けない場所が存在します。
そして、歯石を除去していきます。。。。歯石は軽石状の歯にまとわりつく歯垢が固まったものですが、細菌の巣窟になっているので一掃する必要があります。
歯石は歯肉の上にできているなら比較的容易に取れますが、とるのに1~2回かかります。
そのあとに、2回目の検査をします。。。1回目は歯石が邪魔で正確に測れないことがあります。
歯石を取って治療したのに、測ったポケット量が増えて悪くなったように見えるのは、歯石が邪魔で正確に測ることができなかったのが測れるようになったからで、最初から深かったのです。
歯肉の下に付いた歯石を取るのは大変です。。。6回くらいかかります。
中等度の歯周病では、ここまででポケット3mm以内になることは多いです。しかし、重症の場合はそんな簡単なことではありません。
歯医者は、歯周病が全身疾患に関係があることを知っています。。。。ポケットを3mmにしようと考えます。
さらに3回目の検査をして、ポケットが4mm以上残っておりグラグラしているとなると歯周外科手術を考えます。
先日、抜歯も止む無しかと思われる歯を何とか救いたいと奥歯2本を磨いておりましたが手が届かず、歯周外科に及びました。
できる限り奥まで綺麗に不良肉芽と歯石とバイオフィルムを除去し。
しかし、歯ぐらぐらのポケット8mmの方はご不満の様子でクレームのお電話をいただきました。
歯医者は歯周病が危険な病であることを知っていますが、ご理解いただくのが難しい病です。
『チョット揺れてて、噛むと痛いだけなのに』と本人さんは思う歯です。
手をかけるより、体に悪いから抜歯したほうが良かったのだろうかと反省しました。
歯周病をなめてかからないでいただきたいのです。。。。が。
そう思った先に、治らない歯周ポケット8mmを抜歯しなかったことの是非に悩んだ出来事でした。
体のためには、抜歯するべきだったと思います。。。。それもなかなかご理解、ご納得はいただけないのですが。。。。
『風邪(ウイルス感染)と歯周病菌感染は万病のもと』なのですが、どちらもありふれた軽視される病です。
重症化しないように付き合っていく感染症なのです。