入れ歯が大嫌いなご婦人ですが。
今回高齢を理由にインプラントをすることを家族に反対されました。。。70代ですが、持病はありません。
今回は2本のインプラントが必要なのですが、10年前に3本のインプラントを施術しましたので、定期歯周病管理をさぼっては自分の歯が歯周病の急性発作を繰り返す中で、何も問題なく機能するインプラントがいかに優秀なのかを知っています。
その時に入れ歯を経験済みで、どうしても入れ歯は受け入れられないので下の奥歯の3本をインプラントにいたしました。
インプラントの使い心地は体験済みなのですが、家族は大反対。。。しかし、日本女性の平均寿命は89歳。。。。まだまだ毎日おいしく食べたい15年以上。。。
ここで難しいのが、患者さんのために診療方針を考えても、高価な診療の場合は治療代欲しさで高価な診療を勧めてると考えられてしまうことです。
「あなたいくつになったと思ってるのよ。一体いくらかけるのよ2本の歯なんかに。。。そうやって歯医者にぼったくられて何年生きるつもり?」
とても辛辣な言葉をいただきました。
この女性は、入れ歯を使わない(受け入れない)。。。。使うわよって言いますが、使いません。
入れ歯を使わないと、前歯のブリッジが壊れます。。。たぶん1年くらいで壊れます。。。その時はとても大きな入れ歯になりますし、前歯がなくなります。
そうなってからインプラントにするとなると、2本じゃ済みません。。。おそらく5本以上必要になります。。。。。今なら2本のインプラントが前歯を守ってくれるので、入れ歯にはならないと思います。。。。。ここはターニングポイントなのです。
と説明しても、家族から大バッシングを受けました。。。。そして、3本分の入れ歯を作り。。。「こんなもん使えないわよ」と言われて調整もままならず、診療は中断されてしまいました。
1年後に前歯のブリッジが壊れ、何とかしてよと来院し、奥歯も2本なくなっておりました。。。。たった1年しかたってないのは事実です。しかし、あの時2本のインプラントが使えたら、前歯のブリッジは何の問題もなく機能し、入れ歯は当分必要なかったかもしれません。現実には上の歯は、今では3本しか残っておりません。20年くらい前に事故で前歯を数本無くしたために前歯のブリッジは大きなものだったので、壊れると同時に歯が折れてしまい腫れあがり抜歯になりました。
では、どうしたら良かったのか?。。。というと、入れ歯を使ってくれたらこんなに早く歯を失う事にはならなかったのです。
家族は『入れ歯を使えばいいのよ。もう70歳なんだから入れ歯の一つくらい使いなさいよ』と思ったのです。それでも良かったと思います。。。。義歯でも使ってくれればこんなに早く歯を失う事にはならなかったと思います。
でも、入れ歯は使ってもらえませんでした。
インプラントを採用しなかった事と、入れ歯を受け容れなかったこと。。。。。それは、多分これからの人生のクオリティーのターニングポイントではないでしょうか。
一生食べて暮らすのです。。。食べることは楽しいのです。。。。