一時代は、『こだわりこそ本物の真髄』という主張が支持されていましたので、『かたよらずに素直に聞く』ということを表明しにくいふうちょうがありました。
歯医者は科学者ですから、感情的な診方はしない基本を持って居ります。
人間の身体は、自分の物だと思っておりましたが、どうやらそうでもなく。微生物と細胞の集団のようです。
電気信号や化学物質で会話する集合体のようなもの。
だから、強烈に歯が痛い時は何が何だかどこが痛いんだかわからないほど痛くなります。
『痛いよ』の強烈な電気が脳を走り回るので、右も左も上も下もわからなくなります。
沢山の虫歯を放置した場合に、毎日来院していただいても、ほっと一息平和が訪れるまで数日間全部の虫歯を治すほどの勢いで治療しないと間に合わないことがあります。
あの手この手で治療しても、思わしくない時もあります。
そんな時は、何かかたよった診方をしていないか、聞き取りがより慎重になります。
そうすると、患者さんもかたよった思い込みで話していたことに気が付いたりして。
絡んだ糸がほどけるように、治まることがあります。
検査も大切ですが。問診はとても大切で、何日もかけてじっくり聞いていく必要があります。
歯は体の一部なので、歯だけに偏らず体全体を診る必要があったりします。